アメリカ・ボストン駐在妻のLittlepondです。
2018年に夫の転勤帯同でマサチューセッツ州に移住しました。
西海岸の日本人向けポータルサイト【ロサンゼルスタウン】【サンディエゴタウン】でコラム【駐在妻的米国生活】を連載している駐在妻ブロガーです。
このブログは、私が駐在妻になる前に知りたかったコンテンツを、現役駐在妻になった今の立場で発信しています。
これから駐在妻になる人や、現役駐在妻のお役に立ちたいと始めました。
この記事を検索してくださったのは、北米への赴任が決まった駐在員や妻の皆さまで
「車ってアメリカでどうやって買うの?」と疑問をお持ちかと思います。
この記事では「アメリカで駐在員がクルマを購入する方法」の基本的なことをお伝えします。
私は日本にいた頃、20年以上クルマに関わる仕事をしておりました。
今でもクルマは大好きで、異国の地アメリカでなんとか駐在妻として生きていられるのは、車のおかげと言っても過言ではありません。
とくに「自動車販売」の現場には長く携わったので、日米での車の購入方法を比べてみて、日本人にとって買いやすい方法をご提案します。
アメリカで3台のクルマを契約し、ディーラーや中古車販売店を10件以上訪問した立場から、駐在家庭がクルマを手に入れる方法を「難易度順」に紹介します。
これを読んでいただければ、日本人がアメリカでクルマを買う方法をざっくりイメージしてから渡米できるはずです。
前任の駐在員・日本人帰国者から買う
駐在員にとって一番カンタンな方法は、前任者か日本人の帰国者から購入することです。
車種は選べませんが「確実に」車を入手するのには手っ取り早いです。
(アメリカでの個人売買で必要なこと)
・陸運局(RMVもしくはDMV)で登録
→管轄のDMV(RMV)で詳しい手続き内容を確認しましょう。
・支払い方法を決める
→現金・小切手・日本の口座振込など、日本人同士なら柔軟に対応できます。
(日本人の帰国者から買う方法)
帰国する日本人から買いたいと思ったら、ネットの掲示板を利用します。
全米の日本人掲示板で便利なのはアブログの「アメリカ掲示板」です。在米の多くの日本人が売買したいものを掲載しています。
こちらの「売ります・買います」の項目で「車」をチェックしましょう。
アメリカは州ごとに掲示板がありますので、トップページ一番下の一覧から赴任予定の都市をご覧ください。
その値段が適正な価格なのかを知りたい場合には、Kelley Blue Book で車名や年式を入れると、現在そのモデルが取引されている値段がわかります。
個人売買サイト(Craiglist・eBayなど)もありますが、アメリカ歴が浅い人にはおすすめしません。
現地の人から「イーベイで探せば?」と提案されるかもしれませんが、日本だとヤフ◯クで車を買うみたいな感覚だと思ってください。
相手がどんな人か、物件がどんな程度かビミョーな取引は駐在員デビューしたばかりの人には危険だからです。
カーディーラーで買う
まず書類を用意
ディーラーから購入する場合は、新車でも中古車でも、最低限以下の書類を揃えてからお店に行きましょう。
・アメリカの運転免許証(未取得なら国際免許証とパスポート)
・車両保険の加入証明書(駐在員は住宅保険と同会社で加入することが多い)
・I-94
・ソーシャルセキュリティーナンバー(SSN)
・収入証明(給料明細など)
・住所・電話(携帯)番号・メールアドレス
・銀行口座(振出小切手の使える口座)
・クレジットカード
新車を買う
新車で買うとなると、日本人が勘違いしてしまいがちなのが「好きな車種やグレード、ボディの色が選べること」です。
しかし、アメリカでは在庫車がただ新車というだけで、そこから選ぶだけです。
ボディカラーやグレードを選んで発注し、新車が届いたら納車するという日本スタイルではありません。
なので、新車のメリットは
・誰も使ったことがないピカピカな車で単純に気持ちがいい
・保証期間が長い
ことくらいで、アメリカで新車を買っても
・ほとんどの車が最初の3年でリセールバリューがガンっと落ちる
・ガタガタな舗装やケタ違いの雪・暴風・洪水でキズ付くとショックが大きい
・擦ったりぶつけたりしてもアメリカ人はあまり気にしない
ということに気づきはじめ、新車のメリットをあまり感じなくなります。
中古車を買う
駐在員がアメリカで車を買う方法として、現実的なのが「中古車」です。
日系中古車店
日系(日本人がやっている)の中古車販売店で買うメリットは
・全米各地に配送してくれる
・赴任者向けのローンを組んでくれる
(クレジットヒストリーがなくてもOK、ビザで審査OKなど)
・日本の運転歴を考慮した自動車保険を提案してくれる
・高年式車、認定中古車など日本人が信頼できる物件(車)が多い
(全米展開している日系中古車店)
ガリバー(Gulliver USA)
(実店舗)
カリフォルニア州:シリコンバレー店、トーランス店、アーバイン店
イリノイ州:シカゴ店
ニューヨーク州:ニューヨーク店
ミシガン州:ミシガン店
頻繁出張エリア:テキサス州
ジャパンオートサービス(Japan Auto Services)
(実店舗)
ワシントンDC店、シカゴ店、ヒューストン店、ボストン店、ニューヨーク店、ダラス店
日本人が多い地域には、他にも地元密着の日系中古車販売店はあります。日本人のネットワークや地元の情報サイトで確認しておくと良いでしょう。
そして、なにより日系中古車店は「日本語が通じる」のが最大のメリットです。
クルマの購入は難しい書類のやり取りが多いので、一つ一つを丁寧に「日本語で」説明してもらえると、納得して契約できます。
現地の中古車店
中古車も新車と同じように、現地の中古車ディーラーでも探せます。
中古車の場合は「車種」「グレード」「カラー」「年式」などを自分で絞り込んで、中古車検索サイトで販売店を検索します。
アメリカの「カーセ◯サー」のような中古車検索サイトが CarGurusです。
CarGurusは、問い合わせにはチャットで対応するので電話をしなくても大丈夫です。
欲しい物件が見つかったらオンラインで来店のアポを取ります。顧客が入力するフォーマットがあり、電話番号かメールアドレスを入力すれば店舗から連絡が来ます。
オンライン購入サイト
車だってネットでポチるのが、アメリカでの最新のクルマ購入方法。Amazonで車も買えちゃうみたいな感覚で買えるのが、オンライン購入専門サイトです。
CarvanaやCarMaxはオンラインで発注すると自宅まで納車してくれて、一定の期間であれば返品(もしくは返金)可能なサービスです。
配送してもらう前に、メンテナンスや故障の持ち込み拠点を確認しましょう。
ネットで問い合わせればサービス工場(検査や修理を行う店舗)を教えてくれます。
クルマのことが英語できちんと理解できて、英語が堪能な人には便利です。
私の周りのアメリカ人は、もはやディーラーに足を運ぶのさえ面倒くさがるので、フツーにこのサイトを使って車をポチっている人が多いです。
気に入らなかったら30日以内に返品すればいいんだよ!と言います。
リースで契約する
アメリカにも「リース」があり、非常に一般的です。
頭金(Down Payment)を入れ、契約期間分の車両価格を月割りで支払う方法です。
クルマにこだわらない人はリース契約する人も日本より多いと感じます。
わが家も最初の2年はリース契約しました。
以下がリース契約の注意点です。
・年間1万マイルなど走行距離の制限をオーバーすると追加料金
・期日より早く返却すると残価を一括で支払う
・駐在期間が延びてもリース期間は延長できない
アメリカ駐在員は赴任直後は「クレジットヒストリー」がなく「信用歴審査」の点数が低すぎるので、ローンの金利がバカ高くなります。
そこで「買わなくてもリースでいいじゃん」となる駐在員も多いです。
普通にローンを組むよりも月々の支払いが圧倒的に安く抑えられるので、数年の駐在期間であればリースもおすすめです。
アメリカで車購入、日本との違いは?
私はアメリカでクルマを3台購入してみて、日本と違うなーと思ったことは
・お金持ちでもこだわらない人はボロい中古車でも平気で乗る
・10万マイル(16万km)以下の走行距離なら低マイル車と呼ぶ
・信頼の日本車だと30万、40万キロ走行なんて当たり前
・何度もディーラーに行かない
・見積もり、試乗、契約は1日で終わる
・訪問したら「これください」→ その日に乗って帰るが当たり前
・新車でも中古車でも在庫車から選ぶ
・道端に「For Sale」と書かれたクルマがよく置いてある → 怖くて買えませんが
・アメリカ駐在員はクレジットヒストリーも信用歴審査もないので、TVCMなどで見かける超低金利のローンは対象にはならない
まとめ
・前任者・日本人帰国者から個人売買で買うのが一番手っ取り早い
・中古車店なら、日系ディーラーが日本語も通じて安心
・現地ディーラーを探すなら、ネットで物件を検索してから訪問
・英語が上級者なら、オンラインでポチれば車も買える
・リースは駐在期間がハッキリ決まっている人向き
個人的な結論としては、
日本人駐在員が一番カンタンに車を買うには、日系ディーラーで中古車を現金一括で購入するのがおトクで、面倒がない購入方法だと感じます。
しかも、日本車のSUVなどリセールバリューがいい車種で、程度が良い物件を買えば、帰国のときにも高額で売却することもできます。
海外赴任時にクルマは売却したほうがいい?
海外赴任中に日本で乗っていたクルマを維持するのはあまりおすすめしません。税金の支払い、維持費、保管場所などを日本で誰かに依頼しなければなりません。
それが予想以上に大変だったと言う日本人が多いからです。
さらに、赴任後に帰国すると日本で流通するクルマも変化しています。
「帰国してまわりを見たら、新しい車が欲しくなった」という人がほとんどです。
わが家は出国時にユーカーパック という一括オークションサイトで、2016年式のMINI(Crossover)という愛車を売却しています。
当時の買取相場の30万円近く高い値段で買い取ってもらいました。
電話がじゃんじゃんかかってくる一括査定と違い、一括オークションは最高額で買い取る1社からしか連絡がこなかったので出国前の忙しいときに助かりました。
140万円近いキャッシュ(現金)を用意できたので、そのままアメリカでの中古車購入資金になっています。
わが家はアメリカに来る前に車を売却してよかったと思っています。
いかがでしたでしょうか?
この記事がこれからアメリカへ赴任するご家庭のお役に立てば嬉しいです。
アメリカでも素敵なカーライフを!