アメリカ駐在妻のLittlepondです。
2018年に夫の転勤帯同で当時小3(8歳)の娘とマサチューセッツ州へ移住しました。
これから海外転勤を控えている家庭で、お子さんがいる方は
「子供を現地校に編入させるが、いじめられないか心配だ」
「日本とは違った子供同士のトラブルはあるのか?」
「もし、いじめられてしまったら、親はどうしたらいいの?」
と、不安や心配をかかえていると思います。
ウチの娘はスーパーマイペースな性格で、日本では「トロい、鈍臭い」といじめられがちだったので、アメリカに来た時も不安でした。
案の定、最初の1年は「男子からのいじめ」や「女子の人間関係」に親子で悩まされました。
この記事では、我が家の体験談もふまえ、アメリカ現地校の「いじめに対する基本姿勢」と「トラブルの対処方法」「親がもつべきマインド」をお伝えします。
お読みいただければ、現地校への編入で不安を抱えている皆さんの「心の準備」に役立てていただけるはずです。
現地校でいじめを訴える窓口は?
校長(Principal)に相談する
アメリカの現地小学校でいじめの対応をするのは校長です。
校長は生徒が安全に教育を受ける権利を保護する立場なので、よほど使えない校長でなければすぐに対応してくれます。
まずは、校長にメールで状況を伝えましょう
・子供の名前、担任の名前(アメリカは何年何組ではなく、担任の名前がクラス名)
・いじめを行なっている生徒名
・状況(いつ、何をされた、言われたなど、なるべく詳細に)
娘は、最初からクラスの男子から「お前、英語下手くそだな〜」とディスられ、廊下で会うたびに悪口を言われました(教室では担任の目があるからやらないCleverな子でした)。
その程度でもアメリカ人は「すぐ校長にメール」です。
校長から担任(Classroom Teacher)へ話があり、その男子の親がソッコーで学校に呼び出されました。
そこでは校長、担任、スクールナース(養護教諭)から説明があり、「いじめの現行犯を確認したら警察も介入する。今のうちにやめておくべきだ」と、脅迫?のようなお説教があります。
その後は、定期的にスクールカウンセラーが様子を見てくれたり、カウンセリング、校長との面談、担任の対応を考えてくれます。
アメリカではいじめが発覚すると、悪質な場合は学校から警察へ連絡が入り、調査票が作成されることもあります。
加害者の子供は進学の際に前科者みたいな扱いになることもあるようです。
なので、いじめは「初期段階」で必ず解決させる校長が多いのです。
アメリカ現地校で起こるいじめの原因は?
英語をディスられる
校長先生に「海外からの編入生がいじめられるパターン」を聞いてみました。
小学生にありがちなのは「英語力が低い子供がマウントを取られる」ことだそう。
発音や国なまりのある英語をバカにされるのです。
娘の場合、最初は英語がまったくわかっていませんでしたが、後から聞けば「悪口は英語がわからなくても伝わる」そうです。
悪意の言葉は、たとえ言葉が通じない子供同士でも伝わるのです。
日本人同士でのトラブル
アメリカ東海岸の日本人駐在妻に聞くと、声を揃えて言うのが
「結局、子供がトラブるのは日本人同士がいちばん多い」
日本人駐在員が多いエリアだと「お世話係」や「英語のフォロー係」として、日本人生徒を同じクラスにすることがよくあります。
最初のうちは、英語を訳してくれたり、学校のことを教えてくれて便利な存在です。
そのうちお互いに鬱陶しくなってきたり、お世話係の子が「私の方が英語ができる」とマウントを取り始めたりしてトラブルになりがちです。
最初の1年は仕方がありませんが、子供同士がよほど仲良くならない限りは「次の学年からは一緒のクラスにしないでいい」と学校に要望した方が無難です。
知り合いの駐妻さんの息子は、日本人の男子同士でいじめ合い、一人がもう一人を叩いているところを校長に見つかり、親がそれぞれ学校へ呼び出されました。
通訳も交えて話し合った結果、学年の途中でも二人を別のクラスにするという結論になったそうです。
アメリカの先生は「アジア人は同じ人種で助け合う」と思う人が多いようで、親切心から同じクラスにしてくれますが、決して良いとは限りません。
日本語が通じるだけにディープに関わりあい、トラブルになることも多いです。
「同じクラスに日本人の子がいる〜♪」と、安易に喜ばない方が安全です。
娘は日本人が一人もいないクラスになり「今がいちばん平和なクラス」と言っています。
いじめに遭わないために親ができること
子供の変化に気づくこと
子供が「学校行きたくない」と言い出す前に、体調や発言の変化に気づいてあげましょう。
わかっちゃいるけど、やっぱりこれが親としては難しいのですが。
娘は夕飯のときに突然「イヤな男の子がいる」と告白してきました。
なんの前置きもなく、です。
親に言いたいけど、親も海外へ移住してテンパっている状態だったので言い出せなかったようです。
親としては「何かあればいつでも言うんだよ」という姿勢を常に見せる必要があるな、と思いました。
担任、校長とコミュニケーションをとる
アメリカでは担任や校長に直接メールができます。
担任は学校の休み時間でも返信をくれますし、校長もすぐに返信してくれます。
(忙しい日本の先生ではあり得ないと思いました)
クラス替えは希望を出す、遠慮しないで主張する
アメリカは学区によって年度末に調査があり、クラス替えは個人的な希望が出せます。
「いじめられるから、嫌いな子だから、クラスを別にしてくれ」
「この子と一緒じゃないと学校に行かないから絶対に同じクラスにしてくれ」
どちらも聞いてくれます。遠慮してはいけません。
英語はなるべく「発音」だけでも矯正してくる
英語力をディスってくる子は、ローカルでも日本人でも残念ながらいます。
英語を準備するなら「発音を矯正できるもの」だけはやってくると、現地校にソフトランディングできるはずです。
語彙や文法、授業についていく英語は、学校のELLで十分フォローしてもらえます。
娘は、現地校編入前に日本でやった教材などで覚えた「Don’t do that!」(やめて)「Leave me alone!」(私にかまわないで)を学校で口に出せるようになったら、男子からの嫌がらせは減ったようです。
「英語がなんにも話せないヤツ」と思われたので、バカにされていたようでした。
日本にいるうちにネイティブレベルを目指すのは無理ですが、なるべく英語には慣れさせてあげるのが親のできることの一つだと思います。
校長がいい学校を選ぶ
わが家は家を決める際に学区を調べ、3校の校長へメールをしました。
・日本から編入する
・学校を見せて欲しい
・日本人がどのくらいいるか教えてほしい
などを質問し、2人の校長は下見で渡米したときに学校で面談をしてくれました。
そして、感じが良さそうな校長の学校への編入を決め、その学区で家探しをしました。
これから編入される方は学区の校長へメールをして、校長の対応を見てみるのも良いと思います。
まとめ
・子供がいじめに遭っていたら校長にメール
・担任教師へもメールで訴える
・クラス替えは希望が出せる
・深刻ないじめなら学年の途中でもクラス替えを希望する
・編入前に校長にメールをして対応を見てみる
・英語はなるべく日本でできるだけ準備してくる
アメリカの小学校でも残念ながらいじめはあります。
しかしアメリカの学校では「言ったもん勝ち」というスタンスでもあります。
日本人は「先生に迷惑じゃないか?」と遠慮しがちですが、絶対にダメです。「モンペ扱いになるのでは?」と気にせずに強いマインドを親子で持ちましょう!
では、この記事がお子さんの現地校生活のお役に立てれば嬉しいです!
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