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アメリカ駐在赴任で妻(母)と子だけ先に帰国する理由

 

アメリカ・ボストン駐在妻のLittlepondです。

 

2018年に夫の転勤でマサチューセッツ州に移住しました。当時8歳の長女と帯同しています。

 

西海岸の日本人向けポータルサイト【ロサンゼルスタウン】【サンディエゴタウン】でコラム【駐在妻的米国生活】を連載している駐在妻ブロガーです。

 

 

パートナーの赴任や駐在で海外暮らしを予定している皆さまに向けたこのPre駐妻.comですが、今回は「海外赴任で妻子だけ先に帰国するパターン」についてお伝えします。

 

私もアメリカ渡航当時「辛かったら娘と自分で先に帰国」という選択肢を勝手に用意しておりました。

 

しかし、アメリカ生で日本人駐在員の家庭を見ていると「ウチなんてまだマシな方かも……」と思えるくらい

 

 

「母と子で病んで帰国」というケースは多いです。

 

 

この記事では、妻子だけ帰国した家族の例を紹介します。

 

 

読んでいただければ、海外赴任に帯同する妻と子がストレスをためずに、駐在期間の満了まで家族で一緒に過ごせるよう、心の準備をしておけるはずです。

 

 

 

 

 

英語がストレスで帰国

英語を使う子供

すべてが英語の環境になったのがストレスに感じることも

 

とにかく多いのは「結局、親子で英語の環境に慣れなかった」というパターンです。

 

小学生なら現地校に放り込めばなんとかなると思い、日本で英語の準備もせず、家庭教師(Tutor)もつけずにいると「学校の授業にぜんぜんついていけない」という事態になり、学校に行きたがらなくなります。

 

現地校へ編入から3ヶ月で不登校になってしまい、ホームスクーリングに切り替えても1年後には限界を迎え、日本へ妻子で帰ってしまった兄弟もいました。

 

3歳下の弟はどんどん英語ができるようになり、現地の友達とも英語で遊べるようになったのに、小5で編入した兄の方は英語もできず、友達もできず、先生と親としかコミュニケーションができないのもストレスだったようです。

 

 

結局、お母さんはお兄ちゃんの気持ちを優先し、母親と兄弟だけで日本へ帰りました。

 

 

残念ながら、すべての子供が英語の環境にポンっと慣れるわけではありません。

 

とくに小学校高学年(5年生以上)で編入すると、現地校の授業はそうとう難しく、ELL(ESL)などの英語補習クラスに入っても、通常の授業についていける英語レベルになるまでは時間がかかります。

 

何もしなくても現地校に放り込んで大丈夫なのは、だいたい7歳くらいまで。

 

わが家の娘は8歳で編入しましたが、授業についていく英語を身につけるまでは1年以上かかりました。

 

母親も英語が苦手だと学校の先生ともコミュニケーションできず、子供の様子もわからず、子供が「学校行きたくない」と主張する本当の理由もわからないまま終わります。

 

「子供がイヤだと言っている」「この子は英語が苦手」

 

と先生や友達などに確認せず勝手にそう解釈して「子供がかわいそう」となってしまい、妻子だけで帰国してしまうのです。

 

アメリカ現地校では学級担任、スクールナース(保健室の先生)、スクールカウンセラー、校長がワンチームとなって、不登校になりそうな悩みをかかえた生徒のフォローをしてくれます。日本よりもそこはだいぶ手厚いです。

 

それを英語ができない、不慣れだからと保護者の方から拒否してしまうと、せっかく学校が協力してくれても水の泡となってしまいます。

 

しかも、子供の年齢が上がるほど、そうなりがちです。

 

また、母親が英語ができないと子供を学校以外のアクティビティに通わせるのも苦痛になります。

 

学校から帰ると、自宅で親子だけで過ごすことになり、息が詰まって「日本なら習い事やスポーツをさせられるから」という理由で帰国してしまうこともあります。

 

 

 【日本での英語準備におすすめ記事】

pre-chuzuma.hatenablog.com

 

 

現地校が合わなくて帰国

アメリカ現地校で発言する男子

真面目な子よりも発言する子が評価される現地校

 

英語力以外で現地校が合わないのは、その子の性格によります。

 

残念なことに、アメリカ現地校のスタイルに順応できない子もいます。

 

しかも、アメリカでも学校の雰囲気に慣れない子供はいじめに遭うことも多く、子供がそれを親に報告できなかったり、親も子供の変化に気づかずにいると、どんどん負のスパイラルに陥ります。

 

ある家庭の長男くんは6年生で編入しましたが、日本の学校と違って宿題などの提出物は遅れても先生に怒られることもなく、テストの成績よりも「授業で発言すること」の方が重視されるアメリカの学校スタイルがストレスに感じていたそうです。

 

 

静かに授業を聞いていることより、多少ふざけていても「ガンガン自分の意見を言う子」の方が評価されることに納得がいかなかったのかもしれません。

 

 

妻子だけ帰国する家族がよく「子供が現地校に合わなかった」と言いますが、その理由は勉強や英語力よりも、そういった生徒や先生のスタイルが嫌いだったり、日本の学校と比べて評価の基準が違うので、それがテキトーに感じてしまうこともあります。

 

 

わりと「真面目で几帳面な子」がそうなりがちです。

 

 

【現地校が合わない理由はこちらの記事を参考に】

pre-chuzuma.hatenablog.com

 

 

現地校と日本語補習校の両立が難しくて帰国

宿題をやる子供

現地校の勉強に加えて、日本語補習校の宿題も……

 

マサチューセッツ州には全日制の日本語学校がないので、アメリカ現地校に通わせながら、土曜の日本語補習校にも行かせる駐在員家庭がほとんどです。

 

 

「現地校がダメだったら、日本人学校へ」という逃げ道がないのです。

 

 

小学校の高学年になると、現地校と日本語補習校の宿題に追われ、母子でストレスに感じてギブアップする家庭もあります。

 

ボストン日本語学校の教科は国語と算数だけですが、アメリカ各州の補習校は理科や社会などもあり、土曜は一日がかりで授業という学校もあるので、母親が子供の勉強をつきっきりで見るのがストレスになってしまいます。

 

 

「英語と日本語の勉強に追われてかわいそう」という建前を言っていても、本音は「母親が子供の勉強を見続けるのがしんどい」となり、妻子だけ帰国してしまうのです。

 

 

日本語補習校をやめる選択肢もあるはずですが、親が子供の英語力に執着しなければ、帰国してしまう方がラクですから。

 

 

【日本語の維持を考えるならこちらの記事を参考に】

pre-chuzuma.hatenablog.com

 

 

夫婦関係の破綻で帰国

海外で働く男性

海外なら早い時間に夫が帰宅してくれるかと思ったら……

 

妻子だけ帰国する大きな理由の一つが夫婦関係の破綻です。

 

アメリカ駐在員家庭の妻(母)は「アメリカだと父親も早く帰宅するし、子供の面倒も見てもらえる!」と、最初は夫のワークライフバランスに期待します。

 

しかし、日系企業の場合は「アメリカ人は早く帰っても日本人だけ残業」「土日は接待ゴルフ」「出張者が来るたびに飲み会」と、日本と変わらない仕事スタイルが常態化している会社も多く……

 

「アメリカでは早く帰宅すると思ってたのに、日本と変わらないじゃん!」

 

と、妻のワンオペ家事&育児の度合いは変わらないと気づくのです。

 

 

夫も海外での仕事では自分のことで手一杯になり、駐在員としての事務的な手続きに追われるなかで、妻子のことなんて構ってはいられません。

 

 

妻子は現地校と日本語学校の宿題や勉強に追われ、妻は家事&育児を一人でこなし、慣れない海外でストレスがたまる日常生活で精神をすり減らし、夫になんて構ってもいられません。

 

 

そして、夫婦のすれ違いから関係も破綻し、夫婦の言い争いも増え「子供には夫婦の仲が悪い姿を見せたくない」という理由から、妻子だけ帰国となるワケです。

 

 

まとめ

 

海外赴任で妻子だけ先に帰国するのは

 

・妻子で英語にストレスを感じる

・英語が苦手な母親だと現地校での子供の様子がわからない

・子供が現地校のスタイルに合わない

・現地校と日本語学校の勉強の両立は母子でストレス

・日本と変わらない夫の仕事スタイルに落胆

・慣れない海外で妻のワンオペ家事&育児がつらくなる

 

というような理由から、子供の私立中学受験や親の介護などを理由に妻子だけ先に帰国してしまう人が多くいます。

 

わが家は大丈夫!と思う家庭でも、可能性はあると思っていた方が良いのです。

 

親としてそれを避けたいのであれば、親子間、夫婦間、学校とのコミュニケーションを、日本にいたときよりも密にできるようにしておくのが、何よりの解決策だと思います。

 

海外赴任は予想以上に「妻子」への負担もかかる。

 

海外赴任する夫の皆さんには、常に考えていて欲しいのです。

 

ある日突然「母と子だけ日本に帰りたい」と、誰だって言い出しかねないからです。

 

海外へついていく妻の皆さんには「最悪、自分と子供だけ帰国すればいい」という選択肢を持っておくのも大切ですが、子供が現地でストレスなく過ごせるよう、親として最低限の英語や、夫とのコミュニケーションも忘れないでいていただきたいです。

 

 

皆さんの海外生活が、家族一緒に充実したものになることをお祈りしています。

 

 

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