アメリカ駐在妻のLittlepondです。
2018年より夫の転勤でマサチューセッツ州に住んでおります。
今回はアメリカの現地スーパーの日本との違いをご紹介します。
アメリカ駐在妻デビューしたら、まず攻略すべきは現地のスーパーマーケット。日本とぜんぜん違うので最初はびっくりしてしまいます。
日本のようにカユいところにぜんっぜん手が届かないアメリカのスーパー。とくにお肉やお魚、野菜や果物といった食材の売り方が、日本とはぜんぜん違います。
そこで、アメリカ駐在妻が現地のスーパーを使いこなすために、知っておくと便利な基礎知識をお伝えします。
肉売り場の日本との違い
アメリカの現地スーパー(米国資本系)でびっくりするのが肉の売り方の大雑把さ。
日本のように、料理によって切り方や種類を使い分けるきめ細やかさはありません。
切ってあっても「デカっ」と言いたくなるような大きさばかりで、もはや薄切りと言っても薄さの定義さえわかりません。
お肉の種類ごとに、日本との違いを紹介します。
鶏肉は「皮&骨なし」か「皮&骨つき」
驚いたのが、鶏肉(モモ・ムネ肉)は「骨も皮もついている」か「骨も皮もなし」のどちらかで売られていることでした。
いい具合に「皮だけ」ついている鶏肉がありません。皮つきが欲しいと思っても、もれなく「骨」もついてきます。
なので、皮がビミョーに残っているものを選ぶか、骨つきの状態で買って、骨を取り外して調理するかのどちらかになってしまいます。
日系やアジア系のスーパーでは、皮だけを残して捌いた鶏肉が売っていることもあるので、ご自分の好みに合う鶏肉がどこで売っているか探してみましょう。
ササミ(Chckin Tender)は日本と同じような大きさ、形で売られています。
豚肉は薄切りが売っていない
アメリカに薄切り肉がない問題は豚肉で発生します。
「Thin Sliced(薄切り)」と書いてあっても、日本人的には「コレとんかつ用やんけ〜!」とツッコミを入れたくなる豚肉が、堂々と肉売り場に鎮座しています。
日系やアジア系のスーパーなら、豚コマや薄切りの豚肉が売っているのですが、アメリカ系スーパーで買うなら自分で薄切りにするしかありません。
日本人は豚肉を「塊のまま冷凍」して「スライサーや包丁で凍ったまま薄切り」にする人もいます。
薄切りだと値段が高いので、それが一番コスパが良いのだとか。
牛肉も薄切りは売っていない
お気づきかとは思いますが、牛肉も基本的には薄切りがありません。
ステーキ用にスライスした厚さ1cm以上はありそうな牛肉が堂々と「薄切り(Thin Sliced)」として売られています。
フライパンでやっと1枚が焼ける大きさに切っただけです。
「フィリーチーズステーキサンドイッチ」用に薄くスライスしたのはあります。しかし向こう側が透けて見えるほど「薄っ!」というスライス牛肉なので、火加減を気をつけないと、焼いた瞬間にボロボロになってしまいます。
牛肉は「厚すぎる」か「めっちゃ薄すぎる」しかないと思っていた方が良いでしょう。これも切れ味の良い包丁で、自分の好みの厚さに切るしかありません。
もちろん、日系やアジア系スーパーでは薄切りは売っています。わが家は韓国系のスーパーで「プルコギ用」や「しゃぶしゃぶ用」の牛肉を大量に買って冷凍して保存しています。
牛豚の合挽き肉がない
ひき肉は牛、豚はもちろん鶏肉やターキー(七面鳥)もありますが、合挽き肉がまったくありません。
そして、合挽き肉はなぜか日系やアジア系のスーパーでも見かけません。
アメリカ人は合挽きを使わないそうで、ひき肉って牛豚を混ぜないの?と聞いたら「なぜ混ぜる?」と逆に聞かれてしまいました。
ミートローフ用であれば牛豚の合挽きですが、日本人的には脂身と赤身のバランスが良くありません。
私は、ハンバーグには牛豚の合挽き肉を使いたいので、同じ1ポンドの牛、豚のひき肉を買って来て、好きな割合で混ぜてから小分けにして冷凍しています。
また、アメリカのひき肉は「Lean」と「Fat」(赤身と脂肪の割合)も表示されているので、自分の好みで選んでみましょう。
最初はいくつか違った割合のひき肉を買って、自分が作りたい料理に合うかを試してみるのもおすすめです。
魚売り場の日本との違い
アメリカのスーパーでは、魚は基本的に「量り売り」です。
スタッフに声をかけ、どのくらいの分量(ポンド)で欲しいのか伝えて計ってもらい、紙に包んでもらったものに値段のシールを貼ってくれるので、最後にチェックアウト(レジ)で支払います。
日本のスーパーではなく、商店街の魚屋さんで買うのと同じような感じです。
切り身が多くない
アメリカのスーパーで売られている魚は、だいたい家族分で1ポーションくらいのでっかい切り身を、ポンドあたり値段を表示して売られています。
しかし、だいぶ大きいので日本人なら一食ハーフポンドでも十分です。
日本のように切り身で売られている魚はサーモンやコッド(鯛)など、種類が限られています。鯖や白身など、日本人が好きな魚は日系やアジア系のスーパーに行かないと、切り身では手に入りません。
また、アメリカ系のスーパーで売っている魚は、基本的に生では食べられません。
刺身グレード(生で食べられる)お魚は普通のスーパーでは売っていません。
アジア系、日系スーパーや鮮魚店で「Sashimi Grade」を買うしかありませんが、刺身におろした生魚は高いので、自宅で切るのがコスパもよく、美味しい状態で食べられます。
なので、日本から刺身用の包丁を持参すると便利です。
わが家はこちらの刃紋が大げさな刺身(蛸引き)包丁を持参しました。こちらでも刺身包丁は売っていますがバカ高いですし、これでホームパーティーで刺身をおろすと、アメリカ人にはマグロの解体ショー並みに喜んでもらえます。
Utaki 柳刃包丁 蛸引包丁 刺身包丁 265mm 鍛造73層ダマスカス羽紋 G10ハンドル (sdd058zz)
エビ・カニ・貝などの海鮮も量り売り
エビ、カニなどの甲殻類や、ホタテ、二枚貝なども、基本的にはこういった量り売りです。
ポンドあたりいくらで表示されているので、欲しい数量やポンド数を伝えて梱包してもらい、シールで値段をつけてもらってチェックアウト(レジで会計)します。
エビ・カニはボイルした(茹でた)ものがほとんどです。
また、切り身のサーモンやコッド(鯛)、エビなどは冷凍商品もスーパーにたくさんあるので、一度に使いきれない場合にはおすすめです。
野菜売り場の日本との違い
売り場の見た目が汚い
最初、日本人がドン引きするのは「野菜売り場の汚さ」かもしれません。
野菜が「これで売れるの?」レベルのこともあり、売り場がぐっちゃぐちゃだったり、値段表示がなかったり、ブロッコリーと書いてあるのにカリフラワーが置いてあったりと、カオスな売り場にもかなりの頻度で遭遇します。
ここを気にしていたらアメリカで野菜は買えませんので「胃袋に入ったら同じ」とスルーしましょう。
価格表示は1ポンド(lb)あたり
日本のように「一袋」や「グラムあたり表示」ではなく「1ポンドあたり」の値段が表示されていることが多いアメリカの野菜売り場。
日本人的には「高いのか安いのか」最初はわかりにくいです。一袋あたりの値段だと思って「安い!」と思っても、レジで清算したらポンドあたりの値段で、高くて逆にびっくりすることもあります。
一個ずつ買えるりんごなどの果物、じゃがいもなどもポンド表示が多いので、これに慣れるまでは値段の感覚がわかりにくいのでご注意を。
日本の野菜とのビミョーな違い
人参
アメリカで美味しいものに出会うことが少ないのがニンジンです。
普通のスーパーでは細くて甘くないやつか、ミニキャロットが多く売られていて、ベビーカーに乗っている子どもが小さいニンジンをボリボリ食べているのもよく見かけます。
スライスされていたり、カットされているのも多く見かけます。
ナス・きゅうり
日本のとぜんぜん味も見た目も違うのが、アメリカのスーパーにあるなす&きゅうり。
ナスはより太くて大味です。煮浸しにしても、ゴリゴリに硬いし、お出汁を吸わない(泣)。
きゅうりは「キューカンバー」って書いてあるのに「ズッキーニですか?」と言いたくなる太さで大味。
探せば日本のように小さくて細いきゅうりや、やわらかいナスもあるのですが、納得のいく野菜に出会うまでは時間がかかるもの。
日系スーパーで日本のに近いナスを見つけると感動して高くても買ってしまうのは、アメリカのナスがもはや日本人の考えるナスではないからです。
キャベツ
キャベツも丸くて硬い、パリパリ、剥きにくいものが多いのがアメリカ。
キャベツだけはアジア系や日系スーパーで買う日本人も多いです。ロールキャベツにしたくても、一枚ずつ剥がせないキャベツばかり。
しかも丸ごと売っているのがほとんどなので、半分や4分の1にカットされて売られているのは日系スーパーだけでしょう。
玉ねぎ・トマト・ブロッコリー
比較的日本のと同じだな〜、と思うのが、トマト、ブロッコリー、玉ねぎなどです。
日本のに比べると明らかに形も揃っていないし大味ですが、サラダや料理に使ってもあまり違和感はありません。
ただ、カリフラワーやブロッコリーはアメリカ人は生で食べるので、一瞬ギョッとしましたが、最近は慣れてしまいました。
じゃがいも
日本で売っているのと同じような種類が見つけやすいのがじゃがいもです。
レストランに行くと「ポテトはベイクド?マッシュ?それともフレンチフライ?」と、付け合せをどうするかを必ず聞かれます。
「イモしか選択肢ないんかい!」とツッコミたくなりますが、イモ大国アメリカでは種類も豊富。日本のメークインやキタアカリに近い品種は黄色やゴールドのパッケージで売られています。
これもお気に入り品種を見つけるまで探してみましょう。アメリカでイモは激安です。
コーン・カリフラワー・アスパラ
ブロッコリー、カリフラワー、コーン、アスパラなどは冷凍食品が激安です。
こんなに入ってこの値段?とビックリしますが、コスパは良いので子どものお弁当の付け合わせや、夕飯に一品足りないときにも大活躍です。
最近では「枝豆(EDAMAME)」も冷凍野菜コーナーには置いてあります。
果物・フルーツ売り場の日本との違い
種類は日本と変わらない
アメリカのスーパーでは、フルーツも基本的に日本と同じようなものが売っていますが、これも形のキレイさは日本の方が圧倒的にレベルが上。
これも、食べてしまえば同じと心得ましょう。
カットフルーツが多い
カットフルーツがたくさん売っているのがアメリカのスーパー。
割高ですが、自分で剥くのが面倒なアメリカ人はガンガン買っていきます。ホームパーティーでも必ずといっていいほどカットフルーツの盛り合わせが出てきます。
もちろん、スイカもパイナップルも、ぶどうもキウイフルーツも、丸ごと売っている方が断然安いです。
基本的には日本のフルーツの方が激甘なので、アメリカのフルーツは「素材の味」を楽しむと割り切るのがオススメです。
まとめ
アメリカのスーパーで、日本との違いに最初は戸惑うポイントをお伝えしました。
日本からアメリカへ渡航すると、日本では小分けで売っていたり、欲しい量だけ手に入ったり、いろいろな料理に使える食材が売っていたりと「あー、本当に日本のスーパーの食料品売り場って、痒いところに手が届く」と実感します。
しかし、工夫しだいでアメリカのスーパーの食材でも日本で作る料理と同じものはできるはずです。
この記事が、これからアメリカへいらっしゃる未来の駐在妻の皆さんが、持参する調理器具やレシピなどの参考になれば嬉しいです。